ひみつスタジオの感想(1)

出ましたね!全世界が待ち望んだ3年半ぶりのスピッツの新アルバム。

この黄色いジャケット。発表されたとき、これまでのスピッツに比べるとどうにもクールさに欠けるなあと思ってたんですが・・・今改めて見るとこの可愛さが一周回ってクールなような気もしてきた。可愛いアルバムタイトルにも合ってるしね。

では曲の感想を。

1.i-O(修理のうた)

想像以上にしっとりと始まった1曲目。過去4作は、ビギナー、未来コオロギ、醒めない、見っけ・・・と、ガツンとくるアルバムの代表曲を冒頭に持ってきていたけど、今回はバラード風。タイトルからしてポップな感じを予想してたので意外だ。ただ、ジャケットイメージそのままの曲なので代表曲には変わりないか。

歌詞は、ストレートに読むなら、壊れたロボットの視点でその持ち主に歌ってるような感じ。壊れかけたドラえもんのび太に語り掛けるのを想像してしまう。あのウソ最終回みたいなね。ただ、イントロのオルガンといい、歌詞といい、なんかウェディングソングのようにも聞こえる。実際、チャペルとか最後の手紙とかで流してもよさそう。というかスピッツファンならやりそうだ。

i-Oが「愛を」ってのも想像できなかった。コンピュータ用語の入出力はI/Oという表現が一般的だけど。「黄色い光」ってのもジャケット由来なんだろうか? というよりアルバム全体が今回は黄色いイメージなんだろうな。

2.跳べ

タイトルから「見っけ」のような毅然とした王道スピッツ節を想像してたら、ゴリゴリのロックナンバーでした。2曲目にロックナンバーってのは、ライブではよく見るけどアルバムでは珍しい気もするな。とげまるの探検隊とか? 直近2作は2曲目にシングル曲が来てたしね。

全力ロックなのに「優しい人になりたいよね」って歌詞がスピッツだなあ~。なくした宝物を再び手に入れる方法が七通りってどういうこっちゃ?ドラゴンボールか?

3.大好物

シングル曲。映画主題歌。完成度としてはずば抜けてて、やっぱり今回のスピッツのアルバムの核になる曲かなと思う。

映画に合わせて「食」をテーマにした曲だけど、こういうのって今まであったかな? タイトルだけならうめぼしとかたまごとかラズベリーとかババロアとかいろいろあるか。作ることや食べることと人生や幸福を繋ぐような曲だよね。全体的には明るいのに「期待外れなのにいとおしく」あたりでメロウな感じもあって。この明るいスピッツ節は本当に好みです。

4.美しい鰭

シングル曲。まさかのコナン映画タイアップ。100億円超えてコナン史上最大ヒットになった曲のテーマってことで、実際タイアップとして過去最強レベルかも。Amazon Musicで見ると、このアルバム内でぶっちぎりで再生回数が多い。コナン恐るべし。

シングル2曲並べるの?と思ったけど、大好物とは違って若干けだるい感じの曲調で、ちょっと王道から外してきてる感があるので、流れとしてはいい感じ。コナンによくこれを合わせてきたなとは思った。映画のEDで流れてきて、事件解決後の雰囲気にもよく合ってるなあとは思った。歌詞は灰原のイメージなのかな? 草野さんが作詞でそこまで寄せてくるとも思えないけど、意識はしてるのかもしれない。

5.さびしくなかった

一転して、ふんわりしっとりスピッツ。あまり派手さはない曲です。

「さびしくなかった 君に会うまでは」ってどういうことか最初分からなかったんですよね。君に会うまでは寂しかったなら分かるんだけど。つまりこれは、君と出会うまでは一人暮らしの寂しさなんて感じたことなかったのに、出会ってからは会えない時間が急に寂しく感じるようになったってことか? なんとなく遠距離恋愛のイメージもあるな。

6.オバケのロックバンド

さあ来ました。リリース直後から話題沸騰、このアルバムの中盤のハイライト。

なんとメンバー全員の長いソロパートがあるという初めての試み。ぼけっと聴いてたら途中で「!?」ってなったもんホンマに。しかしメンバーもミュージシャンだけあって歌は結構うまいのね。

ライブでも盛り上がること間違いなしだが、ただにぎやかなだけの曲じゃないんですよねこれ。結局自分たちをオバケに例えてるわけで、スピッツの自己紹介であり、かつファンに向けた感謝の曲というか。「忙しけりゃ忘れてもいいから 気が向いたならまたここで会おう」なんて最高じゃないか。もうライブ会場で歌うために作った歌詞だ。

 

ここでバーンと決まって前半戦終わり。(2)へ続く!